【THE・END】

きえないで

20211017【水木しげる 魂の漫画展へ行く】

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友人が「帯広であきちゃん好きそうなのやるってよ!!!!」と連絡が来たのがすべての始まり。そう、まさかの水木しげる展が帯広で開催されるとのことで・・・・10月17日に行って参りました・・・・・(HAPPY BIRTHDAY JIROチャン・・・・🍰)

 

 

魂の漫画展と呼ぶにふさわしい内容で、感銘を受けすぎてボロ泣きしてしまったんだが!?!?!?!?!?!?!?

 

全部で7つのブロックに分かれていたかな。

幼い頃からの絵画や沢山の原画、ご自身が体験した戦争のこと、愛してやまなかった妖怪のこと。勿論そのすべてが私の興味をとにかく誘いまくり、凝視していたら絵の前に”ここから入っちゃダメですよ線”があることに気付いておらずスタッフさんに注意される始末(笑)

 

撮影禁止だったことでより記憶に残そうと必死だったと思う。

ライブと同じだなあって思った。

 

怖ろしいほどの量の点や線で出来た絵。

水木先生の点描の素晴らしさはわかっていたものの、「ええ・・・・」って目の奥に熱いものがこみ上げてきた。職人とはこういうものなのか、と。敵わない敵わないよこんなもん!!!!!!とまともな絵が1つも描けない(ある意味画伯)の私が思ってしまった。絵の能力がとかそういう次元ではなくこの魂で描いたであろう世界に。

 

背景1つで泣けることがあるだろうか。

漫画と呼ぶにはちょっと・・・・となる絵画みたいな背景画。

草や木、葉、建物のすべてから呼吸が聞こえてくるようで。

黒は漆黒のような闇深さで、どうしたらこう見えるのか不思議だった。

飲み込まれそうな黒なのよ。なんでなん。

 

 

各所に流れていた映像も勿論きっちりと見させて頂いた。

画面の中では、どんな貧乏な時代も「漫画だけは描き続けるぞォ!!」とコミカルな絵と声で言っていた水木先生を見てまた泣きそうになった。それがどれだけ凄いことか。

想像してまた胸が熱くなった。(ご家族は大変だったと思いますが)

 

 

そしてある1枚の絵に辿り着いた時、つい息を呑んだ。

もう何百回と見たことのある妖怪の絵。

ぬらりひょん

 

妖怪の総大将と呼ばれることもあるこの妖怪の顔は数え切れぬほど見てきた。鳥山石燕に始まり、水木先生のみならず他の漫画でも沢山見てきた。だけどそのどれよりも私の心を掴んで離さなかった。

 

ぬらりひょん自体は特に好きな妖怪というほどでもないのだけど、これほど迫力と命を感じるものは見たことがなかったのだ。目が合ったその瞬間、恐ろしく思えた。時が止まったように夢中で眺めた。背景がモノクロの中、ぬらりひょんだけが色彩を持ったその絵は今にも表情が変わりそうな、目玉が動きそうな、そんな感じ・・・・。

 

 

 

緻密に描かれた背景とその反面シンプルでコミカルなキャラクター達はそれとは逆の印象を受けた。リアルに描かれた自然の世界が「実際は存在しないもの」で実際に会ったこともないキャラ達が「そこにいるもの」のようだった。

 

編集部の方のインタビューでは「皆先生の絵が届くのを楽しみにしていた」ととても嬉しそうな顔で答えていて。その顔からすべてが語られている気がして。

 

鬼太郎6期のEDに氷川きよしの「見えんけれどもおるんだよ」がありますが、まさにそれが私の大好きな世界でいくつになってもときめきが止まらない世界。素敵なんです。

鏡の中には持ち主を守ってくれる鑑爺がいるから鏡を大事にしようね、とか。

 

最終的に妖怪のブロックに着いた瞬間なんてつい瞳孔が開き、頬が緩みました。あの時の私に吹き出しを付けたら「うわあ・・・・・!!!!」だったと思います(笑)

 

怖いけど、どこか愛らしい妖怪たち。

水木先生が愛情持って描いていたからじゃないかなあ。

ほんとに全部撫で回したかったです(笑)

 

妖怪やお化けの絵ならいくらでも描けたって言葉がじーんと来て。

描かずにはいられなかったものたち。

 

子供の頃から妖怪怪異不思議なものに夢中でした。

理由は、と聞かれて浮かぶものは後付けでしかなくて。

気付いたら好きだったんです。

妖怪のフォルムや表情も、怖い話も。

 

記憶に残っている中でよく見ていた一番古いアニメは妖怪人間ベムでした。

レンタルビデオ店で、誰に勧められることもなく手に取っていたそうで。

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ポンキッキでやっていた花子さんが来た!や

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鬼太郎の再放送を夢中で見て、

図書館では怖い話の本や妖怪レストランシリーズ、少年探偵団あたりを好んで借り

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稲川淳二のお話が大好きで小学校の林間学校の出し物で「ゆきちゃん」をコピーしました(笑)

 

 

1度好きになったものはそうそう変わらないもので、鬼太郎なんて大人になった今でも見続けてしまってる。(ちょっと絵的に6期は見る気になれなくて・・・見てないんだけども・・・・)

 

 

ほんとにほんとによかった。

ライブに行ったみたいなワクワクドキドキがありました。

最後には「好きなことをやりなさい」とのメッセージ。

 

 

水木先生の残した言葉たちがすごく大好き。

これは幸福の7箇条にある3つなんだけど、

 

「しないではいられないことをし続けなさい」

「努力は人を裏切ると心得よ」

「好きの力を信じる」

 

大好きなの!!!!!!!!!!!!

 

特に努力は人を裏切る、が好き。

変かな???

 

これよく母に言われていた言葉なんだけどね。

努力は裏切らないなんて嘘、裏切られることは沢山ある。

その上で努力出来る人になりなさい。

 

裏切られた時に折れちゃうと思うんだよね、努力は裏切らないっていう言葉。

 

 

そうか、先生もそう言う派なんだな。

やっぱり好きって思っちゃった。

泥沼でも頑張ってる人が好きなんよ。

味があるっていうか。

ただキラキラしてるよりもずっと魅力的なのよ。

言うことも違うしね、尊敬出来るの。

 

 

ほんとに素晴らしかった。

亡くなった日は悲しかったけど「先生がずっと知りたがっていたあの世に行けたんだなあ」って思ったのも忘れられない。というかファンはこぞってこの言葉を言っていたと思う。

 

どんなに知ろうと努力して、調べてもわからなかった世界。

どんなですか?想像とは違いましたか?

見たいものは見られましたか?

ワクワク出来てますか・・・?

とか帰りに先生のお顔を見た時に心で尋ねてしまいました。

 

 

5歳の私も33歳現在の私も好きなものを見る顔は変わらないと言われます。母は趣味が全然合わないので「そんなのばっか見て~」「なんでそんなに好きなの」って笑うけど、否定しないでくれます(笑)

 

だってワクワクしちゃったんだもの、しょうがないじゃない。

 

 

 

理由はわからないが「なんとなく」怖かったわけ。「そうなる」理由の中に妖怪がいてそうすると納得できることが多くある。

 

リアルかどうかではなくて、「そう考えた方が面白い」のだ。それはすべてにおいて大切なんじゃないかと私は思っている。

 


見えないものをいるものとして扱い、人から見られていない時にずるいことをしても無駄だぞ、となんとなく脅しをかけられているような感覚が私は好き。間違いそうになったら正してくれそうだから。


こんなのも好きの理由の後付けなんだけどね。


好きなものは好きなんだよ。

 

ずーーーーーーーーーっと。

 

 

死ぬまでドキドキしたいわ。

 

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